更新情報
2022年7月 茶況_No.383
産地情報
令和4年7月5日
二番茶の摘採を終了した茶園では更新作業や殺菌・防除・施肥などの管理作業が進められています。梅雨明け後の急激な暑さで、涼しい時間帯を見て作業を進めています。今年の二番茶は夜が涼しくて夜温が上がらず芽が伸びなかったために前年比25%前後の減産が予想されます。価格も前年比で安かったために金額では30%減位になると予想され、生産者にとっては大変厳しい二番茶となりました。生産が始まる前から需要減を予想して更新茶園を増やしたり、二番茶の製造を中止する工場もありました。「二番茶は肥料で出る」と昔から言われますが収入減・肥料高による減肥の影響も減産の要因になっています。
一部の茶農家では値崩れの少ない日本紅茶を製造する工場もありました。
掛川市が生産者アンケートを実施したところ平均年齢64歳、後継者なしは84%でした。茶業をやめたい24%と予想はしていましたが現状を聞くと驚きは隠せません。伊藤園の傘下に入りペットボトル原料を専門に製造する工場も出てきました。決められた価格でしか販売できませんが、売り先が確実にある方が希望が持てるとのことです。確実に茶葉を買ってもらえることで収入が保証され担い手確保に繋がると話していた言葉が耳に残ります。
産地問屋は仕入した二番茶の仕上を進めながら用途別に原料を整理して販売計画を立てています。以前は会社で飲むお茶、飲食店で出されるお茶に二番茶が使用されましたが、今はその需要はほとんどありません。現在の需要はスーパー関連とドリンク原料に限られています。そのどちらかに販売ルートを持っていないと二番茶の販売に苦戦しますので新しい販売ルートの確保を模索しています。
消費地では「中元商戦」に入り「水出し煎茶」の販売に力が入ります。水出し煎茶TBをフィルター付ボトルに入れて冷蔵庫で冷やせば、常に冷たいおいしいお茶が飲めますのでとても便利と簡便、安い、美味、健康、SDGSを訴求します。2ℓ入りのペットボトル飲料より、自家製の冷茶は美味しくてプラゴミの出ない環境にやさしい飲み物としてお薦めです。そして、お茶を「マイボトル」に入れて持ち歩くスタイルも提案します。売れない売れないとばかり言っていても仕方ない。次の一手を考え、できることは全てやると説く得意先の社長さんは、「待てばお客さまが来る時代ではない」と積極的に動きます。ニーズを見つけて時代に適応していくこと、それには新たな視点からお客さまが喜ぶ物を販売することが基本ですと話してくれました。
韓国の大統領が保守政権に変わって冷え込んだ日本との関係改善に前向きです。今後の日韓関係に明るい兆しですが、世界は冷戦時代に戻りつつあります。イデオロギーと価値観の違いにより西側諸国対東側諸国、米国・NATO諸国対ロシア・中国・BRICS諸国の対立が鮮明になってきました。民主主義対専制主義、資本主義対社会主義・共産主義の 70年前の対立です。日本は立位置と行き先を明確に示して世界から信頼される国を目指します。日銀短観が発表されました。製造業は下向きですが、飲食・宿泊などの非製造業は2期振りの改善となり上向くと予想されました。しかし、景気の不透明感はぬぐえないとしています。なぜなら世界は資源高、インフレなどのいろいろな下振りリスクが高まっていて、世界経済が失速すると日本も巻き込まれてしまうリスクが非常に高いとしています。
価 格 帯
6/6より始まった二番茶は梅雨時期と重なったために途中雨による中断が6回入り雨の合間を縫っての製造となりました。天候に振り回された二番茶でしたが6/28に終了を迎えました。夜間の温度が低かったことと減肥の影響により芽伸びが進まずミル芽を追った前倒し生産を進めた結果、数量が膨らまずに出回りのピークが見えないまま終了する工場もありました。夜温が低く涼しかったために夏茶臭がなく品質は良かったとの声は多く聞かれます。一番茶で下値までできたために始まる前から市況予想は悪く、重油代、電気代等の生産コストが上がっていることから生産意欲の低いままのスタートでした。前倒し生産を進めたために前年比25%減、平年比でも15%減位と予想されます。減産から収入金額も30%減と厳しい結果となりました。当社の仕入価格帯は下記のとおりです。
前年対比 仕入k数 110% 仕入金額 88%
仕入れ比率
前年(2021年)対比
300円売 20%
25%
200円売 78%
800%
150円売 2%
参考 掛川茶市場取扱数量 76% 取扱金額 64% 平均単価 83%
二番茶の需要はスーパー関連とドリンク原料に限られていますので県内大手数社が買うか買わないかで相場は大きく左右されます。一番茶で下値まで仕入れできた、繰り越し在庫がある、景気に先行き不透明感がある、ことから予想以上に引き合いの弱い二番茶でしたが、出回り量が少ないために終盤に入り下げ止まりました。肥料や重油・電力費や資材など茶農家のコストが膨らむ一方で減産・相場安の厳しい現実を突きつけられた形です。このままですと生産者、産地問屋、消費地小売店ともに廃業せざるをえない茶業者が増えてしまうと危機感を募らせています。ペットボトルが普及して市場が大きく変化しました。消費者ニーズに応えてティーバッグや健康茶や和紅茶を販路開拓のきっかけにする茶業者もあります。マイボトルの普及や日本茶カフェなど若い世代にお茶の魅力と効能を発信し続けて努力しているお店もあります。
長年続く業界の意識や慣習を変えることは容易ではありませんが「掛川茶未来創造プロジェクト」では積極的にチャレンジし、実行性のある取り組みを実施していきます。消費ニーズをとらえ、茶業者の経営を安定させてこの危機を乗り越えようとする並々ならぬ決意が感じ取れます。お茶の魅力発信につながり、10年後も掛川が世界に誇れるお茶のまちでいられるのか…。正念場を迎えています。
水出し煎茶が売れてます。
水出し煎茶(ティーバッグ)
80g(5gx16)
卸価格450円
30袋入
*「水出し煎茶」の原料は水出し専用の茶葉を使用して製造しています。抹茶入り
* HARIOの「フィルターボトル」とセットで中元商品に最適です。
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