更新情報
2024年7月 茶況_No.404
産地情報
令和6年7月30日
茶 況
連日の猛暑で茶園では日中の厳しい暑さと熱中症を避けて朝夕の涼しい時間帯に茶園管理を進めています。二番茶は一番茶の単価安を受け、生産者側が受注生産や生産調整などの対策を講じましたので懸念された底なし相場は免れました。中盤以降は堅調相場となりましたが収量が伸び悩みヤマ場なく終了しました。一茶、二茶ともに生産者にとって厳しい状況は続きこの苦境を持ちこたえられないので「今年で最後にする」という茶農家もあります。消費低迷のしわ寄せが生産者に偏っていますので茶業界全体で対策を考えないといけないという声も耳にします。茶農家もお茶だけで生計を立てるのは厳しくなっていますので、いちご・レタス・山芋・栗・トウモロコシ・生姜・竹の子・トマト・レモンなどの複合作物を生産する農家も増えてきました。高齢農家が手放す放棄茶園にホップ栽培に取り組む生産者もいます。ホップはビールの苦みや香りのもとになる、つる性の多年草です。輸入のホップにはない新鮮な青臭さが特徴で、ホップ栽培の行方が注目されています。
産地問屋は「水出し煎茶」などの夏場商品の販売促進と仕上・出荷作業を進めています。工場内は乾燥機や火入機などの熱源を扱いますので外気温以上に高温になります。大型扇風機の風と水分を補給しながらの作業は午前中に済ませるように段取りします。総務省の家計調査によりますと4・5月の一世帯緑茶購入数量は4%減の122g、支出金額は9%減の686円と減少傾向が続いています。一方、ペットボトルは4%増の1419円とリーフ茶の2倍の金額を支出しています。
帝国データバンクは1~6月に倒産した企業の件数が前年比22%増の4887件と過去10年で最多と発表しました。ゼロゼロ融資の返済、円安に伴う物価高、人手不足の「三重苦」が要因と言われています。加えて節約志向の個人消費は、企業の経営環境を圧迫します。本来の円ドル均衡レートは110円~120円と言われています。プラス日米の金利差の影響が円安の大きな要因になっています。そして、もうひとつの円安要因が「デジタル敗戦」です。日本は米国・中国にデジタル技術で大きく遅れているからです。急速なデジタル革新AIの中で、世界に遅れをとらない対策は急務となっています。
消費地では「水出し煎茶」や夏らしい「ガラス製茶器」のPRに努めています。緑茶は糖分や添加物を使っていませんので口当たりも良く夏に最適の飲み物とアピールします。そして、外出時には安くて美味しい「マイボトル」を奨めます。プラゴミを出さないマイボトルは地球環境にやさしくSDGSにも適しています。連日の猛暑で商店街の人通りは少なく来店客数も減少していますが、秋口からの巻き返しを期待して基本3原則「接客・清掃・品揃え」を徹底します。また3つの不「不満・不便・不安」の解消にも努めます。消費者目線を忘れない「消費者ニーズと顧客満足」の視点は重要です。すべての食料品の値上りを受け消費者の節約志向は益々高まっています。品目ごとに買い物する店を分けたり、買い上げ点数を減らす傾向は続きますので、販売競争がより激化しているといった厳しい声も聞かれます。
夏季休暇のお知らせ
8月 10日(土) ~ 8月 18日(日)
デジタル赤字
日本を訪れる外国人の人数が円安を背景に過去最多となりました。日本は安い・安全・ショッピング・美味しい・清潔・魅力的な街と景色・親切など訪日外国人にとって日本は魅力がいっぱいの国のようです。また訪れたい国でも日本が断トツの一位になっています。このペースで推移すれば今年の訪日客数は3500万人を超えると予想されますので京都・富士山などではオーバ―ツーリズムが問題になっています。急増する訪日外国人が日本で使うお金は7兆円を超える勢いで黒字の柱となっていますが、今問題になっているのが「デジタル赤字」です。米国巨大IT企業5社マイクロソフト・アップル・グーグル・メタ・アマゾンへの巨額の支払いです。インバウンドで7兆円を稼いでも、その稼ぎが吹き飛んでしまう現実です。日本政府・企業・個人がデジタル化を進めれば進めるほどIT5社への利用料が増して「デジタル赤字」は6兆円を超えます。パソコンやスマートフォンを使えば使うほど日本の富は米国に流出してインバウンド黒字を飲み込む勢いです。日本で使用されているパソコンのすべてにマイクロソフトの基本ソフトウインドウズが搭載されています。日本だけでなく世界のほとんどがマイクロソフトのウインドウズを搭載していますので7月に世界各国でパソコンが異常停止して政府機関・金融・病院や航空・小売業に大きな影響が出ました。航空では5千便が欠航しマクドナルドはレジが使えないために販売を中止しました。今回のシステム障害はマイクロソフトに依存するデジタル社会の危うさを露呈した形です。使用する携帯電話はアップルのiPhoneやアップルウオッチ、車に乗ればナビはグーグル、情報発信と受信はLINEやフェースブック・ツイッターなど、スマートフォンのアプリに誘導されて自然に使用していますので仕事でもプライベートでも頻繁に利用しています。そして、パソコン・スマートフォンがなければ仕事も生活もできない日常になっています。アマゾンはインターネット通販事業の先駆者として世界最大手の地盤を固めネット上の巨大小売店に成長しました。2023年の売上高は92兆円に達し、トヨタの売上高46兆円と比較してもその巨大さが分かります。有料会員制サービス「アマゾンプライム」で利用者を囲い込み、会員情報のデータを保管して、誰が何にいくらお金を使い、何に興味があるかを把握して、次に買いそうな物の情報を次から次へと発信します。インターネットで処方薬販売を始めますので、これからは各個人の健康状態のデータを蓄積して効きそうな健康食品、健康器具等の情報を次から次へと発信してくるのでしょう。今までは安泰であった調剤薬局もこれからは厳しい時代を迎えそうです。 現在ある世界を予測してシステムを考え広めた米国IT大手の創業者たちにすべてを押さえられていますが、基幹となるツールは、今さら変えられないし受け入れざるを得ないのが現実です。そして、日本は「デジタル小作人」と言われるまでになりました。米国の持っているシステム(畑)で、自分たちのサービス(作物)をつくるという構図です。サービスを利用する私たちは、さまざまな恩恵を受けているのですが、利益は畑の所有者である米国IT大手に入る仕組みです。日本がデジタル化を進めれば進めるほど、システムを使えば使うほど日本の富は米国に流出するという構造です。この構造が変えられないのなら、日本企業がデジタル化を生かして生産性を高めて付加価値の高い製品を生み出すしか打つ手はありません。そうしなければ日本からお金が出ていくだけになって「デジタル赤字」がますます負担になってしまうからです。みずほ銀行は調査報告書で25年後にはスマートフォンの普及率が0%になると大胆な未来を予想しました。25年後には仮想空間「メタバース」が広く浸透してコンタクトレンズ型の端末などが一般的になると予想しています。インバウンド黒字とデジタル赤字、どんな未来が待っているのか、終わることのない生存競争はこれからも続きそうです。
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