更新情報
2024年8月 茶況_No.405
産地情報
令和6年8月30日
茶 況
2024年一番茶の集計が発表されました。静岡県の生産量は前年比10%増となりましたが、1999年に3781円だった単価は1763円と過去最低水準まで下落しました。緑茶ドリンク登場前は、一番茶は贈答品や急須で入れるリーフ茶に、二番茶は量販店や会社需要やティーバッグ原料などに用途が分かれていましたが、2000年頃から緑茶ドリンクの販売量が急増しリーフ茶を逆転してからは、その差は年々開いています。
そんな茶業界の先行きを心配して静岡県茶業会議所が発行している雑誌「茶」7・8月号に戸塚久美子氏が「静岡茶業の未来を創るために」と題して7つの提案を投稿されています。戸塚氏は茶農家でも茶商でもありませんが、お茶が好きで好きで、お茶の将来を大変心配しての投稿です。戸塚氏は以下の7つの方向で皆さんと共に活動したいと考えていますが、それに立ちはだかる壁があると言います。それは業界マインドです。他者が提案しても①「それは違う」②「それは出来ない」③「それはお茶を知らないからだ」というリアクションです。違うのなら修正してご一緒していただきたい。出来ないのなら出来るように一緒に考えて頂きたい。お茶を知らないならば教えて頂きたい。とお茶を好きな私達を受け入れて頂きたいと問います。
1.未来思考のワークショップで話し合うことから生まれてくる新たな「コト・モノ・トキ」があります。どのような茶を作りたいのか、それはどんなところで必要な茶か?需要に供給は応えているのか?必要のないお茶の生産を続けているより必要なお茶を作りたいものです。未来を想像しながら消費者・生産者・茶商で提案型のワークショップを重ねませんか。楽しく未来思考のアイデアが生まれてくるものです。
2.AIの活用で需要予測を可視化する。お茶はいまどのような流通をしているのでしょうか?その追跡は必要です。その方向性次第で生産方法への革新へ繋がります。ティーバッグ・パウダー原料なら煎茶の形をしていなくてもよいはずです。現在はその活用とどのようなルートで流通されているのかが分からないので毎年同じ生産がされています。AI等の新時代の道具で解析を急ぐ必要があります。人口減少時代に入った国内だけでなく世界をみた需要予測は本当に知りたいエビデンスです。
3.地球温暖化への対応は急務、改植のススメ。温暖化対応の品種改植をスピード感をもって行うことは大切です。やぶ北は最も香り高い美味しいお茶、もう一度昔のようなやぶ北に出会いたいという方々は多い。しかし肥料や土壌づくりとは別に気象環境がそれを拒んでいると考えるのは私だけではないでしょう。
4.紅茶や碾茶の専門性の高い市場の設置と人材の確保。なぜ静岡にないのか?海外でも評価が高まっている紅茶やフレーバーティー。碾茶も煎茶よりも有望で静岡でも生産が拡大中。それではそれらの茶種の市場が静岡にあるのでしょうか?価格が決まる市場が機能していない茶種は誰がどの様に価格を決めていくのでしょうか?今の茶市場をそのままにしないで多品目の生産に備えたいものです。
5.茶の効能研究や医療研究にかかる研究担い手の育成。業界が斜陽傾向になりますと研究に助成金を拠出できない、また研究のフィールドを創ることもできません。かっての静岡県立薬科大学、現県立大学薬学部の教授の活躍は素晴らしく世界的で私達の自慢でした。ここが「でした」という過去形では駄目なのだと感じます。基礎研究に多くの企業や団体が支える素地を創りたいものです。
6.「通称お茶振興法」の改正も含め法をもって振興を。厳しい環境の生産者の持続可能な茶業支援を盛り込むなど法改正も視野に入れて積極的に行動することが求められます。単純に申せば法に記述があれば政策になり、施策となって事業予算へ。法を担保に茶関連団体は担い手の育成に傾注して欲しいと考えます。
7.輸出の為だけでなく、国内需要の為にもWorldTeaMarketの創設を。かっての東京の築地市場のような場内・場外の市場があって市場機能と消費者の為の機能を併せ持つ空間は欲しいとずっと思っています。それも世界中からお客様が来るマーケット。川勝前知事が私の質問に答えた「ティーガーデンシティー構想」を実現させたいものです。
以上7つの粗末な提案ですが心からのエールと捉えて頂ければ幸いです。これ以上の茶業の疲弊は静岡県にとっては社会問題です。7つの提案はみんなで関われることです。大勢の皆さんを巻き込んで行うことが出来る社会です。茶業界においても「人々をつなぐ、つながる」そして、やれるところから始めることが、いま一番求められています。 雑誌「茶」より プロセスコーディネーター 戸塚久美子
2025年の崖
米国グーグルの市場独占を是正するため米国司法省がグーグルの事業分割の提案を検討しています。米国アップルに多額の資金を支払ってiPhoneにグーグルの検索ソフトを標準搭載すれば独禁法違反に当たり、スマートフォンの検索を使えば使う程その情報はグーグルに集約され市場独占に当たるということです。1990年代に米国マイクロソフトも基本ソフトウインドウズが圧倒的な市場占有率で提訴されましたが事業分割は実現しませんでした。現代は仕事にも生活にもパソコンとスマートフォンが無い世界は考えられません。パソコンの全てにマイクロソフトのウインドウズが搭載され、スマートフォンはアップルのiPhoneやグーグルのアンドロイドが主流になっています。そして使用するアイコンはグーグル・メタ・アマゾンのグーグルマップ・フェイスブック・アマゾンプライムなどです。使用するすべてが米国IT5社の手の内です。デジタル化が進めば進むほど、システムを使えば使うほど使用料と情報がIT5社に集約され日本は「デジタル小作人」と言われるまでになりました。孫悟空がお釈迦様の手の内から出られなかったように、今の日本は米国IT5社の手の内から出られないでせっせせっせと使用料を払っているのが現実です。「2025年の崖」とは、経済産業省が発表した日本企業が直面する古いシステムの更新問題です。日本には古いシステムが残っているので2025年までにシステム刷新を集中的に推進する必要があると注意喚起しています。多くの起業が長年にわたり使用しているパソコンは古い技術基盤のまま維持されており、業務プロセスが変化する中で断片的な修正や追加が繰り返されてきました。その結果システムが複雑化し、サイバー攻撃に対する防御力も弱く、現代のビジネスニーズに対応できない状況が生じています。更新には多大なコストと時間がかかり、新しいデジタル技術に応対できる人材も必要となります。デジタル社会の到来によって紙媒体の需要が減り、デジタル決済などのITを使ったシステムに移行しています。テレワークの普及により自宅で職場と同様の働き方ができるようになったり、現金を持たなくても電子マネーで買い物ができるようになりました。これらの働き方、生活スタイルの変化に対応するために企業各社はデジタル化を推進しつつ業務(会計・販売・在庫管理・人事管理・顧客管理・サイバー防御など)を支える基幹システムの刷新は必要不可欠な命題です。しかし既存の古いシステムは老朽化・複雑化していてその刷新は容易ではありません。古いシステムはサイバー攻撃に対する防御力が弱く攻撃のターゲットになりやすいリスクも抱えていますので持続可能な成長を遂げるために安全性・信頼性の高い基幹システムの更新が必要ですがリスクも供います。江崎グリコは基幹システムの切り替え時に発生したシステム障害により主力商品の出荷停止が3ヵ月続きました。受託販売を行っていた取引先にも影響が及び業績への影響は計り知れません。このことは「2025年の崖」に備えるために企業がシステム更新とセキュリティ対策を進めればどこにでも起こりうることです。新しい技術の導入が遅ければコストの増加、業務効率の低下、競争力の低下が避けられないのは目に見えていますが更新時のリスクも供います。日本の将来を左右する崖に立たされて、理解しているのかいないのか?○○デジタル相で大丈夫でしょうか。日本のデジタル赤字は増え続け世界からは「デジタル敗戦国」とまで言われています。これからますます進む、人工知能AIに対応したシステムの構築も急がれています。日本の将来を見通すことのできる人達、慶応大学医学部教授宮田裕章氏、ソフトバンク孫正義氏、ユニクロ柳井正氏など将来を見通して成功した多士済々の人達が日本にはいます。知識と知能を出し尽くして、これから日本の進むべき方向を定めなければ日本は三流の先進国と揶揄されることになります。日本の将来を決定する大事な時、舵取りを誰に託せば良いのか、信頼できる人は誰なのかを選ぶ選挙が近々あります。
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