更新情報
2025年3月 茶況_No.412
産地情報
令和7年3月27日
茶 況
茶園では新茶前の大事な時期を迎え、春肥投入などの茶園管理に努めている生産者の姿が見られます。今年は2月~3月が低温で推移したために桜の開花が遅れましたがお茶の生育も1週間程度遅れています。茶園管理と同時に防霜ファンの点検、機械整備、工場清掃も同時に進めています。
新茶期を前に茶業関係者の講演会や情報交換会、茶業功労者表彰等が各地区で開催されています。県茶業会議所は「次世代につなぐ静岡茶、持続可能な茶業の実践」をスローガンに2024年の生産量で初めて静岡県が首位陥落したことにふれ変化する情勢への対応と転換を強調し、選ばれる茶産地静岡を目指し売れる茶への生産転換を促しました。講演した丸山製茶社長は伸長する抹茶需要の現状を解説し「経営を維持するためには、碾茶を作るしかない。補助金を活用してぜひ挑戦を」と集まった約300人の生産者に呼び掛けました。農林水産省は「茶業及びお茶の文化の振興に関する基本方針」の改定案では旺盛な抹茶の海外需要を踏まえ2023年に0.8tだった輸出量を2030年に1.5tへと倍増させる数値目標を掲げました。若手茶業者が中心となって農業を取り巻く課題解決を目指して活動する「浜名湖アグリフォーラム」では時代に合わせた経営改善の考え方や目標設定の方法について議論しました。適切にお金の入ってくる農業にしないと長続きしないので売上と利益にはこだわりたいとの声も出ました。
産地問屋は新茶受け入れ準備のために機械整備や冷蔵庫の整頓を進めながら消費地と生産者との情報交換に努めています。静岡茶市場は今春の一番茶取引から一部の荒茶を「入札方式」で取引すると発表しました。来年から導入する「電子入札」を控え、円滑な移行に向けて試験的に実施するそうです。記録的な安値で生産者が疲弊する中、相対では単価が上がっていかない、単価が上がる仕組みを取り入れないと本県茶業は成り立たないとの主旨です。しかしソロバンによる「相対取引」の方が生産者と茶商の意思疎通ができて、お互いの気持ちが価格に繁栄されるのではといった、静岡の文化とも言われる長年の商習慣の変化を懸念する声も聞かれます。単価が上がらない原因は相対取引ではなく、根本原因である需給バランスが崩れている要因を徹底解明することの方が先ではないでしょうか。
消費地では予約新茶の販促や新茶セールの準備を進めていますが前年並を確保するのは至難です。小売店舗の閉店も相次いでいますが、街の店舗は人々が絆を結ぶ場所であり、地域の賑わいの中心でありますので、街の灯りを消してはならないと懸命に頑張っています。静岡県は旺盛な海外需要に生産量が追いついていない現状を打開すると発表しました。今後10年間で800haの輸出用茶園の創出を目標に抹茶原料や有機栽培に適した品種「つゆひかり」や「しずゆたか」への改植を支援します。そして世界に通用する静岡茶統一ブランド化と生産体制を確立して鹿児島県に抜かれた荒茶生産量の首位奪還に強い意欲を示しました。掛川市でも久保田市長が、海外での需要が高い抹茶の原料となる「てん茶」への転換や「有機栽培茶」を拡大するための支援充実を発表しました。国内市場が縮小する中、緑茶の輸出額は拡大が続き2024年には過去最高の364億円となりました。
しかし「てん茶」へ転換するには新たな設備投資が必要ですし、「有機栽培茶」は転換初期に病害虫の発生が多いので園地の選択を間違えると生産が不安定になるリスクを抱えています。設備投資には県や市の支援金を活用したり、有機栽培茶には既に実施している生産者のアドバイスを受ける、などの勉強が必須の条件となります。
Be Water 水になれ
トランプ米国大統領が再登板してから、次から次へと弱い者イジメとも思える無理難題を押し付けては自国の言い分を通す手法に、かっての超大国アメリカの面影はありません。自由貿易、民主主義、法の支配など米国がけん引してきた価値観が瓦解し、国際秩序を主導するリーダー不在の時代に入りました。世界も日本も、その言動に翻弄され、先行きが不透明で不確実な様に大きな不安を抱えています。そして、国際的なルールが失われつつありますが、自国の利益優先が世界のパラダイムとなってきました。私達が、かって教えを請うた経営の神様は「損得より先に善悪を考えよ」と教えてくれましたが、今の時代は損か得かが優先です。異なる価値観を持つ人達が、それぞれの正義を振りかざす世界は、分断や二極化を生み「民主主義」の未来は危機に瀕しています。
1997年にイギリスから中国に返還された香港は、50年間は「一国二制度」の下に市民の自由が保護されると約束されていましたが、2014年にその約束が反故にされたために香港民主化闘争「雨傘運動」に発展しました。しかし、国家権力により中国政府を批判してきた民主派の政治家や活動家、新聞の創業者などが相次いで逮捕され、政府に反対する抗議の声は封じ込められました。「一国二制度」が約束されたのに中国が香港の自由を奪おうとしている。香港の自由を守ることは、自由世界の尊厳を守ることと香港市民は立ち上がりました。自由を守る戦いの中で香港の人達が思い起こした言葉があります。それは32歳で死亡した伝説の香港映画スターブルースリーのカンフーの極意「BeWater水になれ」です。香港市民は、この言葉を心の拠り所として中国政府の横暴と闘い体制から身を守りました。「心を空にしろ、形を取り去れ、型を捨てる水のように、水は流れることも砕くこともできる、水になれ友よ」ブルースリーが厳しい修行の後に会得したカンフーの極意です。剣豪宮本武蔵の「五輪書水之巻」にも同じようなことが書かれています。戦いは「水のように緊張しすぎず、緩みすぎず構え、特定のことに気を取られて心が偏ることがないように、ゆらゆらと漂う水のように心を保つことが大切」と説いています。いずれも武道に共通する欲を捨てて対峙する「無」の心境でしょうか。
世界は混迷の時代を迎え、自国優先の弱肉強食の時代に戻りつつありますが、日本を取り巻く環境は厳しさを増し今後、世界や米国の自国優先・覇権主義・一国主義とどう向き合っていけば良いのでしょうか。米国の背中だけを見て追従する時代は終わりつつあるように感じます。関税は、為替は、株価は、景気は、IT・AI・EVの先端技術分野の競争力は世界32位と遅れている日本、問題は山積していますが、4年間は耐え忍ぶしかないとの声まで聞かれます。
企業も揺れ動いています。セブンイレブン、日産は社長が交代し外国人のリーダーを擁して激変する時代に対応しようとしています。西友はディスカウントストアー「トライアル」に吸収され、小が大を吞み込みました。春闘は満額回答が相次ぎ、高賃金を払えない中小企業は市場から退場せざるを得ない状況です。今後は高賃金を払えない企業の人手不足による倒産が増加すると連日報道されています。どこに目を付ければいいのでしょうか。
武蔵の二天一流は目の付け方「観の目付」を教えています。人間は目先で今動きつつあるものに目を奪われがちだが「観の目」を強く状況全体を見ることと。ブルースリーは
「BeWater水になれ」常に変わり続ける世界に対して私達の中には変化する柔軟性がある。流れる水がそうであるように。止まると腐っていくのだ。水はそこにある形にぴたっとはまる。カップに注げばカップの形に。ボトルに注げばボトルの形に。相手を変えることなく敵対もしない。そして水は自在に動き、ときに破壊的な力を持つ。「BeWater友よ水になれ」と教えています。
- アーカイブ
-
- 2025年3月 (4)
- 2025年2月 (2)
- 2025年1月 (1)
- 2024年12月 (2)
- 2024年11月 (3)
- 2024年10月 (10)
- 2024年9月 (17)
- 2024年8月 (19)
- 2024年6月 (1)
- 2024年5月 (1)
- 2024年4月 (1)
- 2024年3月 (2)
- 2024年1月 (1)
- 2023年12月 (1)
- 2023年11月 (1)
- 2023年10月 (1)
- 2023年8月 (4)
- 2023年6月 (2)
- 2023年5月 (3)
- 2023年4月 (2)
- 2023年3月 (3)
- 2023年2月 (2)
- 2023年1月 (3)
- 2022年12月 (6)
- 2022年11月 (4)
- 2022年10月 (5)
- 2022年9月 (4)
- 2022年8月 (3)
- 2022年7月 (6)
- 2022年6月 (1)
- 2022年5月 (1)
- 2022年4月 (2)
- 2022年3月 (1)
- 2022年2月 (1)
- 2022年1月 (1)