更新情報
2026年1月 茶況_No.421
産地情報
令和8年1月16日
茶 況
新しい年を迎えた茶園は生気に充ち、良好な状態を保っています。昨年は全国的に煎茶から碾茶への移行が進んだ分、煎茶の生産が少なくなりドリンク向け煎茶が不足して秋冬番茶の相場が急騰しました。減産になったことから不足感が強まり、様子見していたドリンク関連業者が最後の生産となる秋冬番茶になって一斉に買い付けに動き前年は350円だった相場が1400円~1500円と例年の4倍~5倍の価格に高騰しました。産地問屋からは「異常な高値で急激な価格高騰は今までに経験がない。秋冬番茶の仕入をあきらめるしかない」といった声や、今年から電子入札を導入する静岡茶市場は入札方式を試行しましたが連日最高値を更新しました。ソロバンによる「相対取引」で生産者と問屋のお互いの気持ちを察しながら納得の価格に落ち着く静岡県の茶取引の常道に反する入札販売に「静岡の茶文化を壊すな」という声や、生産者からは「価格が低迷する一番茶の補填には役立ったが、茶業への希望が見えたとは思えない」といった声も聞かれました。静岡県の茶園面積は1988年の23.300haをピークに減少が続き2025年は前年比1200ha減の11.600haでした。鹿児島県は前年比110ha減の8040haと両県ともに農家の高齢化による労力不足により放棄茶園は増えています。栽培面積は鹿児島県より静岡県の方が大きいのですが、静岡県は機械の導入が難しい傾斜地の茶園が多く一戸当たりの栽培面積は小さいので、反当たり収量や摘採回数の差により生産量は鹿児島に抜かれて2位となり「山は富士、お茶は静岡、日本一」と唄われた「茶の都」の落日を印象づけました。2000年に24.000戸あった静岡県の茶農家数は2020年には6.000戸を割り担い手育成は最重要課題です。夏の高温や干ばつによる収量減などを受けて「高温対策研修会」なども開催されています。夜間の温度が高いと茶樹の呼吸量が増加してウマ味のもとであるアミノ酸が低下することや、高温に強い品種「つゆひかり」や「しずゆたか」の紹介もありました。
産地問屋は仕上と発送作業をこなしながら、今年の仕入計画と販売計画を検討します。今までは荒茶価格350円の秋冬番茶の価格が1400円~1500円に急騰しましたので下値商品の一部を廃版にせざるを得ない状況です。鹿児島県茶市場で新春初取引会が開かれ買い手21社が入札に参加しました。一番茶の落札平均単価は3258円(前年比 8倍)秋冬番茶(有機茶含む)の落札平均単価は2648円(前年比5.8倍)と異例の高値に市場関係者は「今年の茶価を占う意味でも非常にインパクトのある取引だった。売り手市場は今年も続く」と今年の見通しを話しました。2024年までは価格の下落が止まらずに「この状況が続くならもうやっていけない」と生産者から悲痛な叫びが出て廃業を選択する生産者が続出し、これからは生産者と機械メーカーは生き残れないと言われました。それが、2025年からは「今の状況が続けば廃業するしかない」といった消費地小売店と産地問屋の声が聞こえます。お互いにどうしたら生き残れるのか茶業の将来を業界全体で考える必要があります。消費地小売店では、会社納品や業務用に使われる下値商品が無くなり、急須で入れる上級茶の需要が落ち込み、厳しい状況に追い込まれています。原材料や人件費の高騰が続くなか、価格転嫁が思うように進まないお店の経営状況はさらに厳しくなっています。日本を取り巻く環境は予想できない事態が相次ぎ、先行きが不透明なだけに、経営者からは不安の声が聞かれます。
令和の富国強兵のごとし
大国の「力による支配」の時代の始まりです。トランプ政権は反米政権のベネズエラに軍事攻撃を加えマドウロ大統領を拘束するという法秩序を踏みにじる暴挙に出ました。次はデンマーク自治領のグリーンランドの獲得実現を公言しています。大国が力で自国の勢力拡大を追求する姿は、かつての帝国主義そのものです。ロシアのウクライナ侵攻は4年過ぎても停戦合意に至っていません。プーチン大統領の最終目標はウクライナをロシアの属国化とすることです。中国は台湾周辺で軍事演習を繰り返し、台湾を擁護する諸外国を牽制し、中国共産党の権力維持に固執しています。いずれも独裁者の国であり米国のトランプ政権も聞く耳を持たない国になってしまいました。ルールなき世界は悲劇です。日本は米国と中国の板挟みとなって、慎重な舵取りを強いられることになりますが、大局観を見失うことなく行動しなければ戦後築いてきた信用を失うことになりかねません。日本はこれまで自由、民主主義、法の支配、多国間協調に基づく基本的価値や原則を尊重し、武力行使による力の支配を否定してきましたので難しい対応を迫られています。いずれ立場を表明する時が来ますが「平和国家」という戦後の国家像を明確に主張すべきです。今回の米国のベネズエラへの軍事攻撃を容認すれば国際秩序の崩壊を加速し、力による現状変更が今後も進み、力が正義の時代が再来しかねない状況です。高市自民党のキャッチフレーズは「日本列島を強く豊かに」です。記者会見では「必ず日本を強く豊かに、日本を再び世界の高みに押し上げていく」との決意を述べました。令和の「富国強兵」と言い換えることもできます。
高市内閣の支持率は高く、強さへのこだわりに共感する人も多いのですが、日本の国際的地位は下落傾向にあります。かっては2位だった国内総生産(GDP)は中国・ドイツ・インドに抜かれ5位に下落しました。働き手がどれだけ効率的に成果を生み出したのかを示す労働生産性はOECD加盟国38国中28位です。中国には経済、軍事の両面で圧倒されています。2026年度日本の国家予算は過去最大の122兆円ですが国債頼みの財政運営が続きます。日本が強く豊かになって税収が増える好循環が訪れればいいのですが、物価高、円安、賃上げ、中国のレアアース輸出規制など解決しなければいけない難問題が山積しています。日本は敗戦から「強兵」を捨て「富国」に専心して立ち直ってきましたが、これから少子高齢化が進み人口が減少すれば税収が減り支出は増えます。人口が減少すれば人手不足は今後さらに本格化して経営は厳しくなりますが持続可能な成長戦略は描けるのでしょうか。最近「ウェルビーイング」という言葉をよく耳にします。「ウェルビーイング」とは、すべてが満たされた「実感できる豊かさ、実感できる幸福感」ですが、心身ともに満たされた「ウェルビーイング」の時代はますます遠のいているような気がします。
国際秩序、国際法は無視され世界は目まぐるしく動き始めました。日本は米国と中国の狭間でどう動くのかを世界は注視していますが先行きは不透明で不確実です。高市首相は、年頭の挨拶で日本列島を強く豊かに、その志を遂げるまでは決断と前進の内閣として決してあきらめず、国家国民のために全力を尽くしてゆくとの決意を述べました。国民はその言葉に明るい未来を予想して期待しています。高市首相は経営の神様と言われた松下幸之助氏が「これからの政治家は経営感覚がないとあかん」と私財70億円を投じて設立された「松下政経塾」の卒業生です。松下幸之助氏は成功の要諦を「成功するまで続けることにある」と教えていますが、高市氏が選挙で必ず使うテーマ曲「オーバーナイトサクセス」の歌詞には「挑戦すればトップに立てる、振り返るな立ち止まるな」のお気に入りの文句があります。「高市丸」は何処へ向かい何処へ辿り着くのでしょうか、不安と期待が交錯する年の始めです。
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